料理を美味しそうにきれいに見せる盛り付けは、お皿の色も大切なポイントです。美味しいと感じるには実は見た目も重要、食欲をそそる色のバランスは、「赤・青(緑)・黄」が基本といわれます。皿と食材をこのバランスでレイアウトすると、より美味しそうに見えるのです。最も一般的な真っ白なお皿はメインメニューをのせる皿、副菜やサラダも全てを白で統一すれば清潔感がある食卓に。
メイン料理を大きな白の皿に盛り付け、脇に置く小皿を可愛い柄物や鮮やかな青、緑系を並べると食卓がカラフルに楽しさを演出できます。対象的な黒のお皿はおもてなしにぴったり、盛り付けられた料理と黒のコントラストが高級感を与え、いつものメニューがぐっとお洒落に見えるのです。スタイリッシュ感がある黒は少量の料理をバランス良く置くと、それぞれの食材が引き立つのです。白いナプキンを置いて彩りを工夫してみましょう。赤の皿はサラダなど、緑が多いメニューを美味しく見せる効果があるのです。
さりげなく卵を置くと黄が際だって鮮やかな印象に。緑系はどんなタイプの食材でも馴染んで、落ち着いた印象を与えるのです。お皿のきれいな色を生かすためにはギュウギュウに盛り付けず、余白を生かしべちゃっと平らに盛らずに少しだけ高さをつけると、より美味しそうに見えます。ちょっとした配慮をするだけでぐっと印象が変わり、料理が美味しそうに見せることができるのです。
盛り付ける時はお皿に余白
料理を食べる時には、視覚の影響を大きく受けます。同じ味でも、見た目が美しいものの方がおいしく感じます。そのため、盛り付けを工夫するだけでランクアップさせることが可能になります。
まず、たくさん作った炒め物やサラダを、お皿にのせる際、ギリギリまで入れてしまうとおいしそうに見えません。お皿には、余白を残すようにすると、料理がおいしく見えます。全体のうち、30%ほどが余白になるようにするといいでしょう。何もない部分が多ければ多いほど上品なイメージになりますが、あまりにも何ものっていない面積が多くなってしまうと、さみしい印象になってしまうので注意しましょう。
全体のバランスを考えて盛り付けるようにすることが大切です。お肉を焼いて、ソースやドレッシングをかける際にも、ただ上からかけるのではなく、レストランのように余白を活用してアートを描くようにするといいでしょう。いきなり絵や文字を書くのは難しいので、円を描いたり、等間隔になるようにすると手軽におしゃれになります。ソースがフチにこぼれてしまった場合は、布巾などできれいに拭き取りましょう。そのままにしていると、ただよそっただけの印象になってしまい、料理が台無しになります。
陶器が日本料理の繊細さを引き立てる
世界で類を見ないほど、繊細で雅やかな料理こそ、懐石料理などに代表される日本料理です。それは料理だけではなく、それを飾り付ける器の美しさにも目を引かれます。一流の料亭では、料理を盛る器に心を砕き、十品以上の品数があっても、同じ陶器は二度とは使いません。
ところで陶器と磁器は異なるのを理解しているでしょうか。見た目で判断できるのですが、高台の素地の色と手に触れた質感でほとんど分かります。磁器は陶石の色の白さが特徴で、硬くて薄く、しっとりと滑らかな感じがします。それに対して陶器は、ざらざらした手触りで、厚みがあります。
また磁器は均一に釉薬をかけるので、ムラや垂れなどがなく、絵付けや形の優美さで表情を作ります。
陶器は土で出来ているので、肌合いが荒く、釉薬のかかりかたも、ムラができるのは当たり前です。持った感触が凸凹したり等、同じ表情のものがないのが特徴で、陶器の素晴らしさでしょう。
繊細で優美な日本料理には、手作りの温かみがある陶器がよく似合います。少々無骨な雰囲気で、釉薬にムラがあるため、それぞれの器に表情があり、日本料理のこまやかな細工をよく引き立ててくれます。
日本料理の素晴らしさは、決して料理それだけではなく、盛りつける器との調和があってこその美意識だと考えるべきです。